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写真提供・text : 株式会社芳賀沼製作 福島県田島町茨城県つくば市
掲載の記事、写真の無断転載を禁じます。
年々暑さが増す日本で、夏涼しく過ごすには、エアコンなどの設備に頼らざるをえません。
そのエアコンの使用する時間、回数を最小限に抑え、家の中で快適に過ごす方法を、家をつくる前、すなわちプランニングでの提案を含め、いくつか挙げたいと思います。 (1) 家の中にいかに風を通すか
(2) 建物の機能を高め、外部からの熱を入りにくくする
(3) 外部の植栽で建物に入り込んでくる日射と暑さをコントロールする
暑い日でも、家の中を一瞬風が通ると気持ち良いですよね。
南から北へ、東から西へと建物の中で「風の抜け」を頭に入れながら設計するのは、一つの有効な方法です。
通常、「風の抜け」を考える際、 1 階は 1 階、 2 階は 2 階だけで、それぞれの階の間取りを、それぞれの階ごとに考えて終わってしまうものです。家づくりのプロであれば、それを一歩進めたプランニングを提案しなければと思います。
それは、階ごとに平面的にプランを考えるのではなく、 1 階・ 2 階( 3 階やロフト)など、家全体の高低差を利用した「風の抜け」を立体的に考えていくものです。

椅子に上がって、天井面に頭が近づいたとき、モァッとした暑さを感じた事はありませんか?それは、熱い空気は上に上がり、冷たい空気が下に下がる空気の性質によるものです。

この空気の性質を使い、上の方へと熱い空気が流れるようにして、その熱い空気を高窓なり、換気扇で外部に出してしまいます。家の中で、上の方へ熱い空気を流すのに一番有効なのが吹抜空間です。
部屋から吹抜へ熱い空気が流れるようにして、吹抜の上部から熱い空気を抜く
吹抜にそれぞれの部屋が面するようにプランニングして、熱い空気を部屋から吹抜へ、そして吹抜の上部へ流れるようにします。吹抜が取れないようなプランでも、階段スペースをうまく利用して、 1 階から 2 階への風の流れをつくれば大丈夫です。

建物内で、高低差を利用した立体的なプランニングすると、家の中で熱い空気の上昇気流のようなものが出来て、今度はそれに応じて冷たい空気が下に降りてきます。その快適な場所を最も家族の集まる場所である、リビングやダイニングを配置します。


改修前は、 玄関が暗く圧迫感のある空間となっており、住戸全体に与える印象にも悪影響を与えていました。またワンルーム5住戸部分に手を加えて住宅としていたため、動線が煩雑で入組んだ狭い空間の集積でした。
風の流れを考えたプランニングに併せて、建物の屋根・壁の断熱効果を高め、窓のガラスを Low-E ペアガラス (一般のガラスの遮熱効果が 14.3 %に対し、 Low-E ペアガラスは 64.2 %と高い) にして外部からの日射や熱を入りにくくする。

屋根の軒の出を深くして、日射をコントロールする。
(夏至の日は太陽の高さは地面から 78 度と太陽の位置が高いため、日差しを有効にカットします。 その反対に冬の光は 30 度なので家の奥まで光が入ります)

などなど、様々な方法により家の中は快適になり、エアコンを動かす回数は少なくなっていきます。
(Low-E ペアガラス面と深い軒の出により日射をコントロール/左写真)

緑は日射の地盤からの照り返しによる気温の上昇を防ぎます。さらに落葉樹は、夏生い茂った葉によって、太陽の光をやわらげます。そして冬にはその葉が散って、夏遮っていた光を室内へ通し、夏だけではなく冬にも有効になります。
南側に植えた落葉樹。夏は葉が生い茂って光を遮り、冬は葉が落ちて光を通す

( 1 ) 吹抜のあるリビング。( 2 )ガラスは Low-E ペアガラス( 3 )南側の庭に植栽

これらの方法は、敷地条件やその土地の気候風土に強い影響を受けます。その土地を良く見て、暑い夏を涼しく過ごす工夫をしていけば、それが建物の個性にもなると思います。

写真提供・text : 株式会社芳賀沼製作 福島県田島町茨城県つくば市
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