日本は現在でも国土の60%以上が森林に覆われています。昔から木と紙と植物と土で家を造っていました。身近にある材料ですから、今のようなシックハウスは考えにくかったと思います。日本の気候風土に合うのはやはり日本の木です。私は鹿児島生まれです。鹿児島にいる母の部屋は地元の杉を壁・天井に使いました(写真1)。杉の持つ暖かみと柔らかさは他の材料では得ることができません。
私は浴室や脱衣室の壁に桧を使うのが好きです(写真2)。使用後に水分を拭き取り、換気をしっかり行うなどの手間はかかります。しかし、裸の体を優しく包み込み、気持ちの安らぐ感じは木自体の持つ性質をうまく活用している例だと考えます。木の家は生きています。手間を掛ければそれに答えているように感じます。仕事で疲れた心と体にはそんなコミュニケーションを楽しく感じる余裕も必要ではないでしょうか。
日本の国土は狭く険しいです。諸外国に比べて製材工場の規模も小さいです。日本で使われる木材の8割以上が輸入材です。商売にならないと放っておくと森林は荒れます。地球の環境にも影響します。東京には日本各地から人が集まっています。ふるさとの木で家をつくりませんか。3次元の空間が、思い出の時間と地球環境への愛を取り込み、4次元の世界に拡がります。間伐材を使った集成材や編成材を開発するなど各森林組合さん達も頑張っています。
日本の森林を守るために応援しませんか。具体的になれば「ふるさとの木で家をつくる会」がサポートします。
また、古材はおもしろいです。私は何処にでもある民家を改装する機会があり、天井に使われていた杉板を腰壁に張りました(写真3)。黒のステインを塗ったら、木目が美しく味のある空間になりました。古材は良い環境にあれば理想的な自然乾燥材です。空間が記憶による隠し味を持つのも楽しくありませんか。再利用できる機会があればうまく利用したいものです。
なぜ、私たちは毎日家に帰るのでしょうか。心と体を休めるために。明日も元気に頑張るために。安心できる巣を求めて。……木の香る空間は一つの答えではないでしょうか。 |